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母の笑顔

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病室からの景色。


秋晴れ。


母も穏やかな笑顔。








火曜日。
私が、病院へ行けなかった日。


夜、母は食後にトイレに立とうとしたら、
突然手足に力が入らず、

ソファと机の間に倒れ込んでしまったそう。

ソファからは、ナースコールが遠くて、
大声で助けを呼ぶ。

ナースステーションから一番遠い部屋。

叫んでも、叫んでも。
声は届かず。


かんごふさんー。
せんせいー。
おとうさんー。
chikoちゃんー。

泣き叫んでも、泣き叫んでも、
誰も助けにきてくれなかった。


怖い怖い思いをした、
そんな夜だったと。



先に看護師さんから、事情を聞いた後、
病室へ顔を出すと。


私の顔を見た途端、手を伸ばして、
ギュウギュウと抱きしめて、
頬を擦りよせて、ワンワンと大泣き。


よっぽど、怖い思いをしたのだろう。


もう、会えないかと思った、と。



大丈夫。
大丈夫やで。


しっかり、抱きしめてあげた。






歩行が困難になってきたので、
この広い部屋だと危険だから、
と注意はしていたものの、

母自身の、

なるべく歩きたい、
この部屋がいい、

という強い気持ちを尊重していたので、

ベッドから離れたソファで、何かがあっても、
ナースコールが呼べない事は、本人も承知の上。


それでも、やっぱり「一人」という孤独と、
「動けない」恐怖に襲われ、かなりの精神的ダメージを
受けた様子。

看護師さん達も、その後すぐに手助けしてくれたし、

今後は、ソファの方にも、センサーを置いて頂き、
全ての移動に、介助をして下さることで、
安心したよう。




色んな事が、毎日どんどん出来なくなってきたこと。
誰かの手を借りなければ、何も出来なくなってしまったこと。
衰えることへの恐怖。


私が行けなかった3日間のうちに。

辛いことが沢山あったのだな、と。


たった3日間のうちに。

またグッと、衰えてしまったのだな、と。




帰り際、

お手手をぎゅっとつないで、
いつものとおり

「お大事にな!」


と、声をかけると、


とても優しい笑顔で頷いて、

「また、明日も来てな」と。


優しい。
優しい笑顔だった。



また、明日。
行くからね。
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by chiko129 | 2011-09-23 20:44 | 母の生きた証 | Comments(0)
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